市民の記憶、冊子に 亀岡市遺族会 投稿66通、編集を開始【2008.02.02】(京都新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080202-00000016-kyt-l26

 平和の尊さを発信しようと、従軍体験や銃後の暮らしを記した「次代へのメッセージ」を募っていた亀岡市遺族会が、市民から寄せられた投稿文の編集をこのほど同市安町の市役所で始めた。戦場の惨状や家族の戦死など、戦後60年余が経過した今も心に刻み込まれた記憶の数々がつづられている。8月までに冊子にまとめ、小中学校などに配る予定。
 届いた文章は66通。父親がフィリピンで戦死した女性は「父が今もまだ帰るのではと思う」と記した。その上で「母は、つらい日々のことは消えることなく、頭の上を爆弾を積んだ飛行機が飛び交っているような生活から離れられない日々」と書いている。
 中国に出征した男性は次々と同僚が戦死する様子を克明に描き、「あの日の戦いで戦死戦傷された戦友の面影が今も脳裏より離れない。(中略)再度戦いなき事を家族に伝え、今日の平和に感謝」と思いを込めた。
 59歳から88歳までの同会メンバー9人が編集委員となり、作業を進める。昨年8月から12月末まで市民に投稿を呼び掛けていた。
 冊子の完成後、市内の学校や図書館、各自治会などに配布する計画で、同会の山内政美会長(82)=同市畑野町=は「戦後60年がたち、戦争体験者の『生の声』を集めておかなければ消えてしまう。これが最後のチャンス。戦争を知らない子どもたちに、平和の大切さを感じてもらいたい」と話している。