原爆症認定訴訟:「要望を聞く会」福田首相出席 原告ら、全面解決に期待の声 /広島【2008.08.02】(毎日新聞)

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 6日の平和記念式典後にある「被爆者代表から要望を聞く会」に、福田康夫首相が出席することが、1日決まった。原爆症認定訴訟の解決に向けて、何らかの道筋が示されるのか。被爆者団体や訴訟の原告らは、期待を込めた。
 この日、広島高裁で控訴審があった。原告側の二国則昭弁護士は意見陳述で、国側が各地の訴訟で敗訴しながら控訴を繰り返し、高齢の被爆者にとって負担になっていることなどを批判した。「福田首相は、原爆症認定問題の全面解決という歴史的な役割を果たすことが、来たる8月6日に求められている」と訴えた。原告団の玉本晴英・副団長(78)は「国は裁判で負けても、すぐに控訴する。我々にとって死を待つ時間だ。厚労省の門戸は固く開かない今、福田首相の一声に期待したい」と語った。
 金子一士・県被団協理事長(82)は昨年、安倍晋三前首相との懇談に出席した。「認定のあり方を見直す」と時の首相が明言してから1年。この間、十分ではないが認定基準の緩和などがあった。「福田首相は、原爆症認定裁判を早期に解決するよう、決断をしてほしい」と訴える。「控訴を繰り返す国の仕打ちは冷酷だ。被爆者が一日も早く安心できる施策をお願いしたい」と話した。
 広島市秋葉忠利市長は「高齢化が進んだ被爆者の方々の声に耳を傾け、原爆症認定制度の問題も含め、その切実な思いを受け止めていただくことを期待する」などとする談話を発表した。【大沢瑞季、矢追健介】