国が原爆症訴訟の上告断念【2008.06.10】(中国新聞)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200806100235.html

 政府は10日、原告計11人全員を原爆症と認めた原爆症認定集団訴訟の仙台、大阪両高裁判決について、「最高裁で争うまでの強い理由はない」(舛添要一厚生労働相)として上告を断念し、受け入れることを決めた。
 両高裁の上告期限は仙台が11日、大阪が13日。原告側が上告を見送れば15地裁、6高裁で争う一連の集団訴訟で初めて判決が確定する。しかし、厚生労働省などは原告側が求める全国の原告305人の一括認定には応じない方針で、全面解決にはなお時間がかかりそうだ。
 10日午前の会見で舛添厚労相は「新基準の総合判断の仕組みを活用し、できるだけ迅速に認定審査をやりたい」と述べ、認定基準の再見直しは当面しない考えを強調した。
 さらに、他の地裁、高裁で係争中の訴訟について、舛添厚労相は「ほかの高裁の判断を仰ぐ必要がある」と継続する考えを示した。