「集団自決」訴訟 模擬裁判で主張交わす【2008.03.26】(琉球新報)

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 沖縄戦中、座間味・渡嘉敷両島で起きた「集団自決」(強制集団死)をめぐり、戦隊長が自決を命じたとの記述で名誉を傷つけられたなどとして、元戦隊長らが岩波書店などを相手に出版差し止めなどを求めた訴訟の判決が28日、大阪地裁で言い渡される。判決を前に25日夜、「沖縄戦の歴史歪曲(わいきょく)を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」が那覇市の教育福祉会館で模擬裁判を行った。双方代理人の代役が主張を交わし、争点を整理した。
 原告の元戦隊長側は座間味島で「集団自決」を命じたのは助役だと主張、渡嘉敷島では村長ら有力者の自然な発意で自決を決めたとして「両隊長は自決命令を下していない」と訴えた。
 被告の岩波側は複数の住民が軍命の存在を証言していると反論し「軍命なしに『集団自決』は起こり得ない」と主張した。
 「集団自決」の要因について原告側は「米軍への恐怖や家族愛、群集心理」などとしたのに対し、被告側は軍の存在や共生共死の一体化方針、戦陣訓の徹底などの背景があるとし、国家から島の守備隊までを貫く「タテの構造」があったと訴えた。
 会場からは「裁判では沖縄戦が限定された場面でしか議論されず残念だ。どんな判決が出ようと、県民が今後どう行動するかが肝心だ」などの感想が出された。