戦争を知らない次世代に 「体験記録集」を刊行【2008.03.26】(中日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080326-00000001-cnc-l20

【長野県】駒ケ根市在住の戦争体験者の証言や寄稿などを収めた本「戦争体験記録集 平和へのいのり」が完成した。戦後60年以上がたち語り部が少なくなった今、「戦争を知らない次世代に記憶をつなげなければ」と市教育委員会が編集、発行。これまで語られなかった思いが詰まっている。
 証言は19人。シベリア抑留、日本での戦中戦後の苦労などを語っている。満蒙(まんもう)開拓団の花嫁として中国東北部に渡った女性は、敗戦後に現地人男性と貧しい生活を余儀なくされ、文化大革命ではスパイと疑われて自宅軟禁されたという。また、遺族を含め16人が寄稿し、学徒動員や家族の戦死などをつづった。
 記録集作成は2005年の市議会一般質問で議員が提案。70−90代の体験者から聞き取りをした。ずっと前に書き留めておいた内容を寄せた人もいるという。2年がかりで編集した。
 A5判、330ページ。関係者は「戦争を知らない20−50代にも積極的に読んでほしい」と呼び掛けている。市内小学校や公民館などに配布するほか、希望者に1部1000円で販売する。販売場所は市立博物館=電0265(83)1135=へ。