検定撤回を再度否定/教科書問題【2008.01.11】(沖縄タイムス)

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200801111300_04.html

文科省審議官「今後は内容即し判断」
 【東京】文部科学省の布村幸彦大臣官房審議官は十日の参院内閣委員会で、沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した二〇〇六年度教科書検定の検定意見を撤回する考えがないことをあらためて強調した。糸数慶子氏(無所属)への答弁。
 布村審議官は、教科用図書検定調査審議会検定審)が昨年、教科書会社六社からの訂正申請を審議する際の指針として取りまとめた「基本的とらえ方」について「検定意見と齟齬を来すものではなく、検定意見を変更したりするものではない」と述べ、検定意見の事実上の撤回にも当たらないとの認識を示した。「検定意見が今後も生き続けるのか」との質問には「今後の検定で、どのような検定意見を付すかは、その時点で具体的な記述内容に即して判断される」と述べるにとどめた。
 糸数氏は「渡海紀三朗文部科学相は談話を出したが、記述改ざんの再発防止措置に触れておらず、文科省・政府の沖縄戦に対する理解に問題がある」と批判した。