<日中歴史研究>公表を五輪後に延期 中国、国内世論懸念か【2008.07.19】(毎日新聞)

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 日中両国の歴史学者らによる「日中歴史共同研究」で、29日にも公表される予定だった報告書の公表が、中国側の申し入れで北京五輪後に延期されたことがわかった。日中間では四川大地震での自衛隊機派遣が中国の国内世論の反発を考慮して見送られたばかり。報告書には南京大虐殺など中国側が神経をとがらせる個所も多く、福田康夫首相も開会式出席予定の北京五輪を前に、中国側が国内の不安要素を懸念したためと見られる。
 日韓間でも竹島問題で外相会談が見送られるなど歴史認識問題が再燃しており、中国側の判断に影響した可能性もある。
 共同研究は06年10月の日中首脳会談で設置に合意した。「古代・中近世史」「近現代史」の分科会に分かれ、両国の研究者がテーマごとに並列で執筆し、両者を掲載する方式。06年12月に第1回全体会合を開き、今年1月に開催した第3回全体会合で、北京五輪前の7月に第4回全体会合を東京で開催して報告書をまとめることで合意し、29日の開催で調整していた。外務省幹部は「最近になって中国側から延期したいと連絡があった」と話している。【須藤孝】