沖縄慰霊の日:「政府は歴史ねつ造」 沖縄国際大の石原教授講演−−集会 /大阪【2008.06.29】(毎日新聞)

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◇背景に米国の戦争を指摘
 「沖縄慰霊の日」(6月23日)にあわせた市民団体による集会「『南京』から『沖縄へ』〜『皇軍』、血塗られた軌跡〜」がこのほど、大阪市中央区で開かれた。沖縄国際大学の石原昌家教授が「まぼろし化される沖縄戦」をテーマに講演し、「政府は歴史教科書の記述削除などによって沖縄戦の真実をねつ造してきた。過去の問題ではなく、米国の戦争に日本を加担させていくための国民的意識をつくる意図がある」と指摘した。
 石原教授は過去の教科書検定沖縄戦での軍による住民殺害や、集団自決の軍関与(命令・強制)について削除されたことなどの一連の動きが、「有事法制の制定など日本の軍事化のステップと直接かかわっている」と分析した。
 さらに、最近入手したという「戦傷病者戦没者遺族等援護法」の制定(1952年)時の国会会議録をもとに、日本遺族会公聴会で「人命の尊厳をじゅうりんした鬼畜の行為を国家の名において行った」と国家の戦争責任を厳しく追及していたことを紹介した。
 そのうえで、援護法は57年以降、米軍政下の沖縄の住民にも「国と雇用類似の関係」があったとの解釈から適用されていったと指摘し、「『沖縄住民が積極的に戦闘協力した』という政府による沖縄戦の書き換え。なぜ書き換えるのかという根本の問題に焦点をあてるべきだ」と話した。【牧野宏美】