映画:元ひめゆり学徒隊の証言を13年間記録「ひめゆり」、きょうから再上映 /東京【2008.06.14】(毎日新聞)

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 ◇長編ドキュメンタリー映画、22人の叫び、後世に−−「ポレポレ東中野」で
 太平洋戦争末期の沖縄戦で多くの犠牲者を出した元ひめゆり学徒隊の証言を13年間にわたって記録し続け、数々の受賞に輝いた長編ドキュメンタリー映画ひめゆり」が14日から、中野区東中野4の「ポレポレ東中野」で再上映される。「沖縄慰霊の日」(23日)を中心に都内をはじめ、神奈川、山形、沖縄県など全国各地の映画館で6月から8月にかけ再上映されるが、公開2年目の映画が、全国規模で再上映されるのは異例だ。柴田昌平監督は「生き残った学徒隊の証言を後世に伝えていかなけらばならない。そのためにも、毎年上映していきたい」と話している。【沢田猛】
 ひめゆり学徒隊とは、45年3月に看護要員として戦場動員された、当時の沖縄師範学校女子部と同県立第一高等女学校の生徒たちと引率教員のこと。女子生徒222人のうち3か月後の沖縄戦終結までに123人が死亡した。
 学徒隊の悲劇はこれまで数回、劇映画化されたが、知名度の割には学徒隊の実像は知られてこなかった。柴田監督は生き残った学徒隊の22人から本当の叫びを引き出し、記録映画として公開した。
 柴田監督は88年にNHKに入局。沖縄放送局でディレクターを務め、元学徒隊生存者と出会ったことが、記録映画づくりへのきっかけに。独立後、映像製作会社を起こしたが、元学徒隊の記録にはこだわり続けた。
 映画は「戦場動員と看護活動」「南部撤退から解散命令」「死の彷徨(ほうこう)」の3章構成。
 映画は06年11月に完成、昨年、全国各地で上映された。上映後の評価は高く、JCJ賞特別賞、文化庁の文化記録映画大賞など数々の賞を受賞した。
 柴田監督は「貴重な証言を風化させてはいけないと思います。そのためにも、再上映に踏み切りました。新たに証言者数人を加え、より完成度の高い作品も目指しています」と張り切っている。
 上映時間は2時間10分。上映は27日まで。1日4回上映。一般1500円、大学生1300円、中高生とシニア(60歳以上)1000円。問い合わせは映画「ひめゆり」を観(み)る会(042・497・6975)へ。