戦争の悲劇、語り継ぐ 九条の会が体験談集発行 宮城【2008.05.26】(河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080526-00000019-khk-l04

 太平洋戦争の惨劇を語り継ごうと、宮城県の大学教授らでつくる「みやぎ憲法九条の会」が戦争の体験談を集めたブックレット「語りつぐ『私(わたし)の戦時体験』」を発行した。
 県内の60―90代の12人の体験記を載せている。仙台市の80代の男性は元兵士で1944年、ミャンマーに駐屯した。「現地民を虐殺し、けがをした戦友も見捨てて生き延び、悔やんでいる。こんな思いは孫にはさせたくない」とつづっている。
 仙台市の80代の女性は43年、従軍看護師として中国の長春に赴いた。「戦況の悪化で退避を余儀なくされ、上官から『敵に捕まったら自殺しろ』と青酸カリを渡された」と振り返る。
 本は、敗戦から63年がたち、生存する戦争体験者が少なくなる中、戦争の悲惨さを風化させまいと、会が体験談を募った。
 会事務局の池上武さん(66)は「体験者にしか語れない戦争の惨劇を知ってもらい、平和の大切さを再認識してほしい」と話す。寄せられた体験談はほかにもあり、次号を出す準備を進めている。
 本はA5判で97ページ。価格は400円で注文販売する。連絡先は九条の会022(728)8812。