<インタビュー>在米市民運動家のアナベル・パクさん【2008.03.13】(YONHAP NEWS)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080313-00000006-yonh-kr

【ソウル12日聯合】米下院は昨年7月31日、日本政府に対し従軍慰安婦の強制動員の事実を認め、公式な謝罪を求める決議案を満場一致で採択した。その歴史的な日、在米韓国人2世のアナベル・パクさんは、「これは宇宙の摂理であり神の加護だ」と歓声を上げた。慰安婦問題は単なる歴史の問題だと思っていたが、元慰安婦の女性らが実際に米議会で証言を行う姿を見てからは、女性の人権と尊厳、ひいては人間の尊厳の問題なのだと考えるようになったというパクさん。慰安婦決議案の採択に向け、広報映像を制作して市民に訴え、募金活動を行いワシントンポスト紙に全面広告を掲載したのが彼女だ。
 慶煕大学国際教育院の招きで来韓したパクさんに12日、ソウルの駐韓日本大使館前で話を聞いた。日本大使館前では毎週水曜日の正午に元慰安婦の女性らを中心とする集会が開かれており、パクさんもこれに参加した。これまでは写真で見るだけだった集会だが、直接現場を訪れてみて「女性がどれほど強く勇気を持っているのかを感じた」と語った。
 ドキュメンタリー制作者という顔も持つパクさんは、慰安婦決議案の採択に向け市民の参加を促す活動を行うなか、当時米国に留学中だったタレントのパク・ジョンスクさんらに出演を依頼し広報映像を制作、ユーチューブで公開した。これまで自身が制作したなかでも会心の出来だったと話し、この作品のおかげで米国の若年層にも慰安婦問題をアピールすることができたと振り返った。
 映像制作に比べ、ワシントンポストの全面広告掲載には、掲載料5万ドルを集めるため気の遠くなるような募金活動が必要だったという。活動仲間のなかにも、果たして多額の費用をかけるだけの効果があるのかと懐疑的な見方もあり、今思えば広告を掲載できたのは奇跡のような出来事だと語る。曲折を経て掲載した広告は大きな反響を呼び、日本の右翼勢力が反論広告を掲載したことでまた話題を集めた。パクさんは、この日本の右翼勢力と当時の安部晋三首相がむしろ大きな助けになったと話す。広告は安部首相の訪米日に掲載され、首相の発言が重なり、大きな関心を集める結果になったからだ。
 パクさんは、慰安婦決議案の採択に向け力を合わせて努力するなかで、同胞が米国人に対し、どのように慰安婦問題を語り、説明すべきかを知るようになったという。疎外されていた慰安婦問題を、自分たちの力で日の目を見させることができたということに、大きな意義があると笑顔を見せた。
 9歳の時に米国に移民しボストン大学を卒業後、オックスフォード大学で政治学博士号を取得したパクさんは現在、米民主党オバマ上院議員の選挙事務所で映像制作のボランティアとしても忙しい日々を送っている。「テキサス州予備選挙とオックスフォード州予備選挙の合間を縫って韓国を訪れたが、本当に良い時間となった」と語った。