空襲で孤児…悲惨な体験語る【2008.03.09】(中国新聞)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200803090034.html

 東京大空襲で父親ときょうだい4人を失い、孤児になった東広島市安芸津町の無職松島進さん(73)が8日、広島市中区の旧日本銀行広島支店で開催中の東京大空襲をテーマにした写真展会場で体験を語った。空襲被害者が国を相手取った訴訟の原告団に参加している松島さんは、被爆地の市民に「原爆だけではない戦争の悲惨さを知ってほしい」と訴えた。
 1945年3月10日の東京大空襲当時、すでに母親を病気で亡くしていた松島さんは、新潟県の集団疎開先にいた。空襲被害が激しかった深川区(現在の江東区)にいた家族5人は全員亡くなった。「孤児だから」と警察に放火の疑いを掛けられた苦い記憶…。言葉を振り絞り、涙ぐみながら語り掛けた。写真展の来場者約20人が証言に耳を傾けた。フォトジャーナリスト鈴木賢士さん(75)=東京都国分寺市=の写真展「東京大空襲の傷あと・生き証人」は13日まで。