「集団自決」 県教委、軍「強制性」教える【2008.02.16】(琉球新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080216-00000001-ryu-oki

 県教育委員会は15日、沖縄戦の実相を正しく生徒に伝えることを目的に高校用の「沖縄戦の指導案事例集」を作成し、4月までに全県立高校に配布することを明らかにした。事例集には「集団自決」に軍の強制性があったことを教える指導案も盛り込む。県教委が沖縄戦に特化した指導案事例集を作成するのは初めて。
 仲村守和県教育長は、4月から使われる高校歴史教科書の記述が「日本軍により集団自決を強いられた」という表現から「日本軍により集団自決に追い込まれた」という表現にとどまったことに触れ、従来の教科書通り「集団自決」の強制性を教えていく必要性を強調した。実践事例は現在現場教諭から聴取しており、15例ほどをまとめる予定だ。
 指導案事例集は高校日本史だけではなく学校設定科目「沖縄の歴史」や慰霊の日に関連した沖縄戦の特設授業で活用できるよう具体的な授業展開方法を紹介する。
 仲村県教育長は「沖縄戦に特化した指導案を出すことで、教科書が変わってどう教えるか悩む現場の不安を解消し、より平和教育を充実させたい」と述べた。
 また、沖縄戦の実相を正しく児童生徒に伝えるため戦争体験者の証言を集めた冊子「平和への証言―体験者が語る戦争」(県平和祈念資料館編)を県内小中高校と特別支援学校に1冊ずつ配布した。
 4月には「実際の沖縄戦の証言を基にした授業展開をするため」(仲村県教育長)同冊子を全高校にさらに40冊ずつ配布する。
 また戦争教育だけではなく人権教育、環境教育など幅広い「平和教育」の充実を目的に、1993年3月に発行した「平和教育指導の手引き」の改訂版を2008年度中に発刊する。県教委は今後準備委員会を設立する方針だ。

(K−K)