教科書検定「文科省に責任迫る」 高嶋教授が強調【2008.02.10】(琉球新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080210-00000013-ryu-oki

【沖縄】「子どもたちの心を守ろう『日の丸・君が代』学習会」(主催・沖教組、高教組)が9日、沖縄市農民研修センターで開かれた。琉球大学高嶋伸欣教授と広島県高教組の顧問弁護士を務める藤井裕氏の講演に約60人の教員らが熱心に耳を傾けた。
高嶋教授は高校歴史教科書の「集団自決」検定問題について「文科省自身に責任を認めさせるために頑張らないといけない」と課題などを語った。
 高嶋教授は「憲法をいかす検定意見撤回のとりくみ」と題した講演で、高校教科書に検定意見が出されてから出版社が再訂正申請をした昨年12月までを振り返り「再訂正申請には確かに『強制』の記述は認められていないが『追い込まれた』という記述は増えた。昨年9月の県民大会開催が盛り込まれたりと一定の成果を挙げた」と評価する一方、「あくまで初志貫徹。文科省に責任を明確に認めさせるところまで迫らないといけない」と語った。
 「この動きを一過性のものにしないために沖縄の先生が県内の授業実践内容を紹介することで全国の先生方との共有財産を増やしてほしい」と締めくくった。
 藤井弁護士は、卒業式など学校行事の国歌斉唱時に起立しなかったことを理由に戒告や訓告処分を受けた教員が処分取り消しを求めて係争中だという広島県の現状を紹介。その上で参加者に「子どもたちに、批判的な見方を教えることをちゅうちょしている現状があるのではないか。さまざまな視点を与えて、最終判断を子どもたちに委ねることが重要だ」とメッセージを送った。

(K−K)