文科副大臣「120点」 検定意見撤回実行委の要請を拒否【2008.01.16】(琉球新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080116-00000003-ryu-oki

【東京】沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」検定問題で、検定意見の撤回を求める県民大会実行委員会の仲里利信委員長(県議会議長)ら代表は15日午後、文部科学省池坊保子副大臣を訪ね、検定意見の撤回と歴史教科書に「日本軍による強制」を明記するよう求めた。仲里委員長によると、池坊副大臣は昨年末に文科相が承認した訂正申請の記述について「注釈などの形で(分量が)増えているし、100点から120点だと思っていた」と評価。「(教科用図書検定調査審議会は)検定意見を撤回しないが、再度このようなことは起こらないと確信している」と述べ、検定意見を撤回しない考えを示した。
 冒頭、池坊副大臣は「県民の気持ちを真摯(しんし)に受け止め、本当に誠実に取り組んできた。皆さんはそれ以降どういうふうに思っているのか話を聞きたい」と話した。
 要請では、玉寄哲永県子ども会育成連絡協議会会長、小渡ハル子県婦人連合会会長、平良長政幹事(県議)がそれぞれ沖縄戦の体験談を話した。遠山清彦参院議員(公明)も同行した。
 要請後、仲里委員長は記者団に対し「われわれの気持ちは本当に政府に伝わっているのか。これまでも10年ごとに教科書問題が起こっている。同じことが起こりかねないことを考えると(昨年末の文科省の対応は)受け入れられない」と不満を見せた。
 今後の実行委員会の活動については「今後のことまでは話し合っていない。今日の話を持ち帰って再度協議したい」と話した。
 一行はこれに先立ち、首相官邸大野松茂官房副長官にも同様に要請した。大野副長官は「総理に伝える」と答えた。