「戦陣訓」追記し再申請 検定審「指針」で1社【2007.12.8】 琉球新報

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071209-00000004-ryu-oki

高校歴史教科書の「集団自決」(強制集団死)検定問題で、訂正申請を出した教科書出版社6社に対し、教科用図書検定調査審議会が「集団自決」の背景にある複合的要素を詳しく記述するよう求める「指針」を示した件で、1社が軍人や住民に対し捕虜となることを禁じた「戦陣訓」を追記し、再申請する方針であることが分かった。
 「戦陣訓」は1941年1月に東條英機陸軍大臣が全陸軍に通達した訓諭。この中で「生きて虜囚の辱めを受けず」として、軍人が捕虜となることを禁じた。沖縄戦において「戦陣訓」は住民にも浸透していた。戦前の皇民化教育や沖縄守備軍・第32軍の「軍官民共生共死」方針とともに、「集団自決」を引き起こした要因とされている。
 教科書各社は検定審議会の「指針」を踏まえ、皇民化教育や軍から住民にもたらされた米軍に対する恐怖心などを新たに盛り込む形で訂正申請を出し直す方向で検討を進めている。
 今後、再申請された訂正内容について、教科書各社と文科省教科書調査官との細かい調整が行われるものとみられるが、文科省は直接的な「命令」「強制」に関する断定的記述には難色を示していることから「軍の強制性」が教科書記述に明示できるかは微妙だ。