日本人に戦争の真相と戦犯犯罪をはっきりと知らせるようにしなければならない─渡辺恒雄氏に対する特別取材「北京週報日本語版」【2007.8.10】

http://www.pekinshuho.com/yzds/txt/2007-08/10/content_72081.htm

 読売新聞社の『検証 戦争責任』の中国語版が中国で出版されています。それにあわせ渡辺恒雄氏に単独インタビューを行ったメディアがありました。日本語訳がネットで読めるので紹介致します。

「日本の首相の靖国神社参拝は、私が絶対に我慢できないことである」

記者:読売新聞社が『戦争責任を検証する』という本を企画、出版した目的は何か? あの戦争からすでに60年余年を過ぎた今日、戦争の責任を提起するとともに、それを追及する意義は何か?

渡辺恒雄氏:直接の動機は靖国神社の問題のためである。小泉元首相の靖国神社参拝は、外交問題へと発展し、中国と韓国に強く反対されたばかりか、日本の国内にも反対する人がいる。日本の国内には2種類の観点があり、1つは日本における参拝がなぜ問題となり得るのかを理解しないものである。いま1つは小泉氏の靖国神社参拝に反対するものである。小泉氏は政権の座にあった5年余りの期間に毎年靖国神社を参拝し、日中関係をひどく悪化させ、両国トップの交流が中断した。日中外交関係の悪化は両国にとってよくないことであるばかりか、アジア全体にとっても望ましいことではない。


 明確に靖国神社への首相参拝に反対しています。ほかにも、遺族会を票田とするために小泉氏が参拝を行ったとか、「遊就館は非常に有害な施設の1つであり、あれは閉鎖しなければならない」などの主張を行っています。かれは、

しかしながら、今の日本人はあの戦争の侵略性、残忍性の側面に対してあまり知らない。私は陸軍2等兵としてあの戦争に参加したことがあり、軍隊の残忍性を知っており、当時、多くの若い軍人が自殺行為を余儀なくされたり、戦闘機を操縦して敵に体当たりしたなどは今日の自爆テロ行為と同じであり、非常に残忍なことであった。

 と語ります。しかしその直前には、

かなりの人たちは、神社には国のために戦死した「英霊」が祭られており、それを参拝して感謝の意を表わすことは当然だと思っている。

 と語っており、彼が問題とするのはA級戦犯合祀のようです。それによって見失われる問題、?アジア・太平洋戦争の前史となった明治以降の日本の対外戦争の戦争責任・植民地支配責任、?国家のための死者を顕彰する施設そのものの問題、があります (詳しくは特集「靖国問題」の「靖国問題って?」 http://sengosekinin.peacefully.jp/issue/issue1/issue1-2.html へ)

 最後の部分で彼は言います。

日本経済団体連合会会長は、もし中国がなければ、日本の経済が発展を遂げることは不可能だと語った。日本経済界の人たちはすべてこう見ている。私は、信頼関係構築の肝心な点は政治にあると思っている。安倍首相の唯一の功績は就任してからまず中国を訪問し、5年も中断していた両国トップの相互訪問を回復させたことである。安倍氏は小泉氏の靖国神社参拝による望ましくない状況を払拭した。

 なぜ今年閣僚が靖国参拝をとりやめたか、示唆する記事ですね。安倍首相、ほめられてますよ^^

(梁)