映画:沖縄戦生存者のドキュメンタリー「ひめゆり」を上映 金沢で来月1日 /石川【2008.07.23】(毎日新聞)

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 ◇「同世代の若者にぜひ」
 太平洋戦争中、国内唯一の地上戦が行われた沖縄戦で看護要員として動員され、多くの犠牲者を出した「ひめゆり学徒隊」。その生存者の証言を約13年にわたって記録した長編ドキュメンタリー映画ひめゆり」(06年)が来月1日、金沢21世紀美術館のシアター21で自主上映される。金沢での上映は初。地元でイベントを手がけ、今回の上映を企画した松田豊さん(61)は「学徒隊として働いた彼女たちと同じ年ごろの若い世代に見てほしい」と話している。【高橋慶浩】
 学徒隊は、米軍の沖縄上陸作戦が始まった45年3月、沖縄師範学校女子部と同県立第一高等女学校の生徒222人、引率教師18人で編成。配属先で負傷兵の看護などに従事しながら、旧陸軍とともに米軍に追われ敗走。同年6月の沖縄戦終結までに136人が犠牲となった。
 監督の柴田昌平さんは、NHK職員時代に勤務した沖縄県で生存者と出会い、制作を決意。94年3月から生存者22人の声を計約100時間にわたり記録した。映画はナレーションやBGMを使わず、2時間10分にまとめた。「いつまで生きていられるか分からない。体験を映像で記録して遺言として残したい」と話した生存者は、完成までに3人が亡くなった。
 スタッフと縁があって上映を企画した松田さんは「間接的にでも戦争を知る我々が、若い人にも体験を伝える義務があると思う。来年以降も上映を続けたいので、一緒にかかわってくれる人も募集したい」と話している。上映は午後3時と同6時半からの2回だが、現在は1回目のみ受け付けている。一般1300円、学生1000円。
 問い合わせは、JO―HOUSE高尾台店(076・296・0245)。