映画「靖国」、松本で県内初上映 400人鑑賞【2008.07.22】(信濃毎日新聞)

http://www.shinmai.co.jp/news/20080722/KT080721SJI090002000022.htm

幅広い年代の観客が訪れた映画「靖国」の上映会場=松本市Mウイング
 松本市内で映画を自主上映しているNPO法人コミュニティシネマ松本CINEMAセレクト(事務局・東筑摩郡山形村)は21日、公開が一時危ぶまれたドキュメンタリー映画靖国 YASUKUNI」(李纓(リイン)監督)を県内で初めて同市Mウイングで上映した。3回の上映で400人余が鑑賞。混乱は特になかった。
 旧日本軍などの戦死者が祭られ、第2次大戦A級戦犯も合祀(ごうし)されている靖国神社を舞台に終戦記念日の様子を収めるなどした作品は、「安全な上映環境を保てない」と上映中止や延期を決める映画館が相次いだ。同法人は上映前、「上映という『リング』の上に作品を上げるのが仕事であり、『ジャッジ』するのはお客さま自身」などとした考えや経緯を説明する文書を観客に配った。
 松本市の会社員、宮沢萌里さん(25)は鑑賞後、「日本人でも遺族の合祀に反対する人がいるとは知らなかった。映画を靖国について知るきっかけにしたい」。友人で半年ほど前に靖国神社を訪れたという名古屋市の会社員、桜井路子さん(24)は「神社の意見だけではなく、多角的な見方をしなければいけないと思った」と話していた。
 上映を決めた後に、同法人のホームページ掲示板には「上映するな」などの書き込みもあった。8月2日にも同会場で上映する。