韓国市民と連携強化 「沖縄はんの碑の会」発足【2008.07.14】(琉球新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080714-00000006-ryu-oki

 沖縄戦で亡くなった朝鮮半島出身者の慰霊のため、2006年5月に読谷村瀬名波に「恨(ハン)之碑」を建立した恨之碑建立をすすめる会沖縄は13日、宜野湾市のぎのわんセミナーハウスで解散総会を開き、同時に特定非営利活動法人NPO法人)沖縄はんの碑の会の設立総会を開催した。同会代表に就任した安里英子さん(59)は「これからが出発。調査など膨大な仕事があるが、韓国の市民団体と連携しながら進めていきたい。沖縄戦の被害者であると同時に加害者でもあることを自覚して、まだまだ封印された問題に一つ一つ取り組んでいきたい」と抱負を述べた。
 席上、高橋哲哉東京大学大学院総合文化研究所教授が「戦後責任再考―沖縄・朝鮮・日本」と題して記念講演した。
 高橋氏は「憲法9条で無くなった日本軍の代わりに守ってくれるのは米国だという止めどない対米従属が始まったのではないか」と指摘した。その上で「戦後の沖縄のことを考えるとき、天皇のことをぬきには考えられないと思っている。戦争責任の問題を忘れることはできない。天皇制の戦争責任を問いきれなかったことが日本人の最大の戦後責任である」と訴えた。
 また、NPO法人の設立について「碑ができたことは一歩。これで安心するのではなく、一人でも多く戦死した人の名前を明らかにしなければいけない」と述べ、今後の活動に期待を寄せた。
 恨之碑建立をすすめる会沖縄の平良修共同代表は、碑の建立までの募金活動やさまざまな人の協力があったことに感謝を述べた。沖縄はんの碑の会では、入会を呼び掛けている。問い合わせは西岡信之NPO沖縄はんの碑の会副代表兼事務局長090(3970)8772。