平和の願い「てのひら」に 沖縄戦犠牲者25万人分【2008.06.10】(琉球新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080610-00000005-ryu-oki

 沖縄戦で犠牲になった25万人分の「てのひら」を集めて、戦争の悲惨さや平和への思いを形にしようと、那覇市立鏡原中学校1年5組の生徒38人が多くの人の参加を呼び掛けている。
 生徒の父母で「てのひらプロジェクト」の木下裕子代表が2年前から行う活動の一環。「沖縄でたくさんの人が戦争で亡くなったことを実感しよう」と始めたことがきっかけ。今年4月に担任の山端修教諭に活動を説明し、生徒も参加した。
 「てのひら」は習字紙にペンなどで手をかたどり、平和への思いや未来へのメッセージなどを自由に書いてもらう。学校で参加を呼び掛けた譜久島枝莉奈さん(12)は「沖縄の人も県外の人も、沖縄戦の悲惨さを身近に考えてほしい」と、協力を依頼した。
 生徒の呼び掛けに応え「てのひら」作りに参加した照屋幸一さん(73)=那覇市=は沖縄戦当時、死に物狂いで北部を逃げ回り、栄養失調で妹が亡くなったことを生徒たちに語り「戦争をしない世の中になるよう考える子になってほしい」と生徒たちに話した。
 生徒を指導している担任の山端教諭は「生徒に平和についてもっと積極的に考えてほしいと思い、呼び掛けた。新しい形の平和教育になるのではないか」と話した。現在、3000余りが集まり、7月22日には那覇市のパレットくもじ前でも参加を呼び掛ける予定。