戦争証言収録始まる 全国で15万人目標【2008.01.25】(琉球新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080125-00000001-ryu-oki

 戦場体験の証言を映像で記録保存する「戦場体験放映保存の会」(東京)のメンバーが、24日から県内で初めて沖縄戦体験者の証言の映像記録を始めた。午前中は糸満市の県平和祈念資料館で公開収録会を開き、同資料館友の会のボランティアガイドらを前に、元県議の瑞慶覧長方さん(75)=南城市大里=の証言をビデオに収めた。
 同会理事の張替麻里さん(37)と記者の馬場朋子さん(37)、中村艶子さん(72)と沖縄支局長の宮城都志子さん(62)=名護市=が27日までの日程で、元ひめゆり学徒隊対馬丸語り部ら8人の戦場体験を記録する。
 収録を前に、張替さんは「父方のおじがフィリピンで戦死し、母方のおばが戦中、飛行機工場の暗号係として休みなく働き盲腸破裂で亡くなったことが活動のきっかけ。同世代の活動の賛同者は少ないが、皆さんの力を借り、平和のために多くの戦場体験を事実として残したい」と語った。
 瑞慶覧さんは日本軍による食料強奪と壕追い出し、日本兵が沖縄出身兵士を虐殺する場面を目撃した体験を証言。「自決する時の手りゅう弾の取り扱いは、国民学校と公民館に駐留していた日本軍の軍曹から常に教えられていた」「捕虜になるよう呼び掛けた男性(沖縄出身兵士)を、日本兵3人がスパイと言って後ろから切りつけ、ばさっと首が落ちた」と証言した。
 体験者の高齢化が進む中、戦場体験放映保存の会は体験者が生存中に15万人の証言を映像記録に残し、資料館への永久保存を目指している。問い合わせは宮城さん0980(53)1582。