「戦争の醜さ教科書に」 集会で生徒の声紹介【2008.01.23】(琉球新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000017-ryu-oki

【東京】1・22教科書検定意見撤回を求める集会(大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会など主催)が22日夜、東京都の文京区民センターで約150人が参加して開かれた。沖縄戦の学習に力を入れる平井美津子中学校教諭(大阪市)が、今回の教科書検定に対して生徒からの「お父さんが妻や子どもを殺すときどんな思いをしたのか、考えるだけで涙が止まらない。命令しない限り絶対自決はしない」などの意見を紹介した。
 その上で平井教諭は「沖縄戦から学んだことは子どもたちの中に残っている。今こそしっかりと沖縄の学習をしなければいけない」と訴えた。
 平井教諭の学校は毎年修学旅行で沖縄を訪れ、戦跡めぐりや体験者の話を聞く機会を設けている。昨年度は沖縄戦をテーマにした劇を文化祭で上演した。
 平井教諭が12月末、高校に進んだ教え子に意見を求めたところ「多くの尊い命が無残に奪われたことを教科書に載せてほしい」「戦争体験者が少なくなる中、教科書で伝えないと真実や醜さが分からなくなってしまう。二度と戦争なんかしたくないから書いてほしい」などの意見があった。
 また「友達と話しても、沖縄の人が自ら進んで自決したと認識していて悲しい。教科書がきちんと書かないことや政府の教育に問題がある」などと、歴史認識の違いを指摘する意見もあった。そのほか石山久男歴史教育者協議会委員長、執筆者の坂本昇さん(高校教諭)、林博史関東学院大教授らが訂正申請の結果に対する考えを報告した。