検定教科書執筆者 撤回へ活動継続【2008.01.10】(琉球新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080110-00000002-ryu-oki

【東京】高校歴史教科書の「集団自決」(強制集団死)検定問題で教科書出版社の訂正申請が承認されたことを受け、社会科教科書執筆者懇談会は9日夜、東京都豊島区の勤労福祉会館で4回目の会合を開いた。今後の取り組みについて議論した結果、検定意見の撤回や今回の訂正申請の審議やり直し、沖縄戦の記述回復・改善などを求めて活動を継続することを確認した。また検定制度の段階的廃止なども求めていく。文部科学省に対する訂正申請は毎年行えるため、訂正申請の再提出を目指して各社で対応を検討し、秋ごろに懇談会の次回会合を開催する予定。
 執筆者らはこれまでの検定問題の取り組みを総括し「検定意見と矛盾しない範囲内での記述しか認められていない。検定意見が撤回されない限り、訂正申請によって問題が正しく解決されるとは考えられない」との考えで一致した。
 教科用図書検定調査審議会が訂正申請審議に当たって記述の「指針」を提示したことについては「1つの歴史のとらえ方を執筆者に強制し『書かせる検定』を押しつけた。検定審文科省の越権行為だ」と批判した。
 懇談会の世話人を務める石山久男歴史教育者協議会委員長は「本当は訂正申請の段階で懇談会を開き、執筆者で相談して対応を決めたかった。だが今日こうして残された課題や今後の方向性が確認できたことは良かった」と話した。会合には執筆者や編集者ら15人が参加した。
 社会科教科書執筆者懇談会の名称を社会科教科書懇談会に変更し、執筆者だけでなく一般人も含めた取り組みにすることも了承した。