検定合格社も訂正申請/全6社「軍の強制」記述【2007.11.10】(沖縄タイムス)

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200711101300_03.html

 二〇〇八年春から使用される高校歴史教科書の検定で、沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」に関する記述に検定意見が付かず、修正せずに合格していた第一学習社広島市)が九日、文部科学省に訂正申請を提出した。日本軍強制に関する記述を新たに盛り込んだとみられる。これで、二〇〇六年度検定を受けた六社すべてが訂正申請をした。
 第一学習社の教科書は、県内で最も多い十八校で使用される予定。「高校日本史A」では「沖縄戦では、一般住民を含む県民十二万人が犠牲となった(「沖縄県援護課資料」)。この中には、『集団自決』のほか、スパイ容疑や、作戦の妨げになるなどの理由で日本軍によって殺された人もいた」と記述している。この部分に検定意見は付かず、そのまま合格していた。

 渡海紀三朗文科相の要請を受けた教科用図書検定調査審議会は、五日に日本史小委員会をすでに開催し、沖縄戦の専門家に意見を聞くことを決めている。現在、四、五人の候補が挙がっており、人選は委員長に一任されている。同委員会は早ければ今月中にも訂正を認めるかどうか結論を出す見込みだ。