A級戦犯分祀で一致 福田総裁・古賀選対委員長

内閣総理大臣福田康夫氏に決まり、これまでの小泉・安倍前首相のアジア強硬外交から、アジア協調外交へと外交路線が変更すると言われるなか、靖国神社問題に関して以下のような興味深いニュースが流れています。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/archive/news/2007/09/25/20070925ddm002010013000c.html
古賀・自民選対委員長:靖国問題、「福田氏と同じ方向」
 自民党古賀誠選対委員長(日本遺族会会長)は24日、党本部での就任記者会見で、靖国神社問題について「福田(康夫)総裁と私は全く同じ方向だ」と述べ、A級戦犯合祀(ごうし)により生じている問題を解決する必要があるとの認識を示した。
毎日新聞 2007年9月25日 東京朝刊

福田・古賀両氏は、A級戦犯分祀するという見解を持っているようであり、政治上実権を握った現在、その方向で働きかけをしていくという意志の表したものだと思われます。
もちろん、宗教法人である靖国神社に対して、強制力のある命令ができるわけではありませんので、神社側の意向を無視して分祀ができるはずもなく、その実効性には、はなはだ疑問があります。そして、仮にA級戦犯分祀ができたとして、それで首相の靖国神社参拝を認めていいのかというと、それもまた重大な問題があると思います。

本来、靖国神社問題において、A級戦犯合祀の問題は本質的な問題ではありません。仮に分祀することで外交上の問題が解決したとして、それだけでこの靖国神社問題が解決したと認識されることは非常に大きな問題を残すことになります。

小泉や安倍、もしくは麻生などという自民党内の跳ね返りの姿勢は、問題をより明確化させる分、世間的に単純で分かりやすいと言えるでしょう。一方、穏当で協調路線をとる福田のような姿勢は、問題点を表面化させず、世間に気づかせないように問題を処理してしまう恐れがあります。
戦後責任問題を考える上では、この福田首相の動きは、より注意すべきではないかと思います。
(K−K)