伊吹文科相「軍関与なら問題ない」/「集団自決」修正【2007.8.25】(沖縄タイムス)

 前回、「集団自決」削除の教科書検定に対する抗議の動向をアップしましたが、伊吹文科大臣はこうリアクションしたそうです。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708251300_05.html

高校歴史教科書の沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の記述から日本軍の関与が削除された問題で、県選出、出身の自民党国会議員でつくる五ノ日の会(会長・仲村正治衆院議員)は二十四日、文部科学省伊吹文明文科相を訪ね、検定の撤回を要請した。仲村会長らによると、伊吹文科相は、軍の関与を容認した上で「すべてで『軍命』があったわけではない。『軍の関与』という表現であれば、次回の検定で問題とならないだろう。出版会社にお願いしてはどうか」などと提案したという。
 伊吹文科相は今回問題となった検定意見の撤回については「大臣の立場としては言えない。大臣が一度検定に介入する例をつくってしまうと、別の検定にも影響が出てくる」などと困難視。
 しかしその一方で「私も近々大臣を辞めるのでどうこう言うわけにはいかないが、『軍の関与』という表現ならいいのではないか。教科書出版会社に『軍の関与』という表現を使用するようお願いしてはどうか」などと述べ、「軍の関与」という表記であれば次の教科書検定で合格できるとの見解を示したという。
 伊吹文科相は県議会が全会一致した「検定結果の撤回を求める意見書」の表記が「軍命」ではなく「軍の関与」となっていることに「知恵を出した表現だ。来年の教科書を書くならば、そういう形で書かせたほうがいいのではないか」と語ったという。
 仲村会長らはこの日、同省の布村幸彦審議官とも面談。今回の検定意見に「事実を明記すべきだ」と抗議し、教科書を審査する「教科用図書検定調査審議会」の会長との面会を強く求めたが、明確な回答はなかったという。

 文科相としては、あまりに無責任な姿勢だと思いますが…。あと、「軍の関与」って明らかに妥協案ですよね。こんなに妥協する必要はないと、個人的には思うのだけど。(アクセル)